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「鉄分」って、子どもにも大事な成分って知ってた?

2023.06.28

毎日の子どもの食事、栄養バランス良く食べてほしいと願うママやパパは多いと思います。

取り入れたい栄養素はさまざまですが、鉄分の重要性について、近年よく語られるようになりました。「鉄分は大事!」というのはよくわかるけれど、子どもの食事にはどれくらいの鉄分を、どのように取り入れたらいいのでしょうか。

今回は、2人のお子さんのママであり、現在は製菓学校の先生をしながら「離乳食アドバイザー」として、食育について広く情報発信をされている上西由理佳さんに、子どもの鉄分不足について詳しくお話をお聞きしました。

 

教えてくれたひと
離乳食アドバイザー
上西 由理佳 さん

料理教室の先生として、幼児から大人まで幅広い年代向けの料理・パン・製菓のレッスンを担当。製菓専門学校の講師として、パティシエを目指す学生の指導にもあたる。離乳食アドバイザーの資格を持ち、保育園でのおやつ作り体験会や、保護者向けアプリ内にて離乳食レシピ、How-toコラムなども担当している。4才、2才の2児の母。

 

脳や体の健康を支える大事な栄養素「鉄分」

鉄分は体中の酸素を運ぶ役割があり、免疫力や運動機能をサポートします。また、脳にも大切な栄養素で、不足するとぼーっとしたり、イライラしたりと神経機能にも影響が出てきます。

だるそうにしていたり、あくびが多かったり、冷えを感じたり…。こんな症状が出てきたら、鉄分不足かもしれません。

でも、鉄分をしっかり摂ることで、幸せホルモン(セロトニン)や、やる気の源(ドーパミン)などの分泌を促してくれる作用もあります。

成長期の脳と体を作る子どもの食事。鉄分に限らず、いろいろな栄養素を取り入れた、バランスの良い食生活を心がけたいですね。

 

生後6ヶ月ごろから、鉄分は不足傾向に?

厚生労働省は、2019年度に「授乳・離乳の支援ガイド」を改訂し、下記のように記しています。

母乳育児の場合、生後6か月の時点で、ヘモグロビン濃度が低く、鉄欠乏を生じやすいとの報告がある。また、ビタミンD欠乏の指摘もあることから、母乳育児を行っている母親の食事については、鉄やビタミンDの供給源となる食品を積極的に摂取するとともに、適切な時期に離乳を開始し、進行を踏まえてそれらの食品を意識的に取り入れることが重要である。

生後6か月といえば、ちょうど離乳食を始める頃。生まれてきたときに貯蔵していた鉄分が、6か月頃にはなくなり始めているのです。
母乳育児をしている場合、6か月頃からは母乳からの鉄吸収だけでは補えなくなってくるので、何らかの方法で鉄分を補給していくのが理想です。

 

実は「鉄」は吸収率の低い栄養素

この表を見てみると、6か月から11か月頃の離乳前の子どもでも、少なくとも3.5mgの摂取が必要で、推奨量は5.0mgにもなります。

(参照:厚生労働省2020年版「日本人の食事摂取基準」)

3.5mgもの鉄分を摂ろうと思うと、鉄分を多く含むことで知られるレバーですら約30gも摂取しなければいけません。1つの食材、1回の食事では、とても難しいと感じる方がほとんどだと思います。

さらに、鉄分には動物性の「ヘム鉄」と、植物性の「非ヘム鉄」があります。動物性のヘム鉄は人体への吸収率が高いですが、植物性の非ヘム鉄は吸収率が低く、上手に日々の食事の中で摂っていく必要があります。

では、実際にどうやって離乳食や幼児食に取り入れていくと良いのでしょうか。

 

ポイントは、毎日の “こまめな摂取”!

現代の食生活で不足しがちな鉄分を摂取する最大のポイントは「毎日少しずつ」。

毎日、少量でも摂取し続けることです。というのも、運動による発汗などで、鉄分は毎日体外に流れ出てしまっています。吸収率も低いため、毎日少しずつでも補うことが大切です。

 

鉄分の吸収率を上げるためにできること

子どもが食事の中で鉄分をしっかり吸収するために気にかけたいことは、次の3つです。

 

・動物性ヘム鉄を含む食材を摂る

・ビタミンCやクエン酸、たんぱく質と一緒に摂取する

・鉄製鍋で調理する

 

動物性ヘム鉄が多く含まれる食材というのは、レバーや赤身の肉、あさり、かきなど。また、血合いの多い魚なども良いです。

また、野菜や果物に多く含まれるビタミンCやクエン酸、たんぱく質などと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。食材から摂取する以外にも、鉄鍋で調理することも良いでしょう。

鉄分入りのふりかけを使ったり、バランス良く、食べやすく!(お粥・人参と鯛の出汁煮・ツナコロッケ)

 

離乳食期に鉄分を摂るために

ただ、乳児が母乳と離乳食だけで鉄分を補うのは、なかなか難易度が高いのが現実です。

鉄分を多く含む赤みの肉や牡蠣などの食材は、まだ月齢の低い離乳食時にはなかなか取り入れにくかったり、食べムラがあったりと、離乳食の進み具合でも取り入れ方は変わってくると思います。

離乳食時には、まぐろ、かつおといった魚を取り入れると良いでしょう。刺身や水煮の缶詰で手軽に調理できます。

また、牛乳ではなくミルクやフォローアップミルクを利用したミルク煮やミルク粥などをつくることで、栄養価をたくさん摂取することができます。

おすすめなのは、牛挽肉と小松菜などの野菜を細かく切り、出汁で煮たものを離乳食に取り入れること。

まとめてつくって小分けにしてフリージングしておくことで、ご飯やうどんやスープに加えて毎日手軽に食べることができますよ。

鉄分たっぷり野菜の入ったミルク麺

負担の少ない方法で工夫していきましょう

それでも、すべて手作りするのはとても大変ですので、フォローアップミルクやベビーフード、おやつや飲料の活用をおすすめします。

鉄分を多く含むフォローアップミルクはそのまま飲ませてあげる以外にも、ミルク風味の離乳食・幼児食として乳児期から幼児期まで活用することができます。

また、手軽なベビーフードは鉄分補給にも大いに活躍してくれます。家庭では調理しにくいレバーも食べやすい製品になっていますし、粉末状になったものを食事に取り入れるのも良いでしょう。

また、おやつや飲料にも鉄分入りの商品は多いので、毎日の食生活に取り入れやすいと思います。

フォローアップミルクで鉄分補給!

 

食事に関する悩みは尽きることがありませんが、少しでも保護者の負担が少ない方法や、取り入れやすい方法、子どもが無理なく食べられる方法をいろいろ試せるといいですね。

子どもの食事について、悩んだりうまくいかずに困った時は、悩みを専門家に話してみましょう。かかりつけ医、近隣の保健センターや子育て支援センターの方、栄養士、離乳食アドバイザーに、気軽に相談してみてくださいね。

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離乳食アドバイザー

上西 由理佳

料理教室の先生として、幼児から大人まで幅広い年代向けの料理・パン・製菓のレッスンを担当。製菓専門学校の講師として、パティシエを目指す学生の指導にもあたる。離乳食アドバイザーの資格を持ち、保育園でのおやつ作り体験会や、保護者向けアプリ内にて離乳食レシピ、How-toコラムなども担当している。4才、2才の2児の母。