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もっと自由に、一緒に楽しむ絵本の時間

2021.09.29

日々の子育てのそばに、いつもいてくれる「絵本」。

今回は、絵本が大好きで、絵本や読み聞かせのすばらしさを発信している「えほんがかり」のまこさんに、絵本の読み聞かせのコツや考えかたについて、きいてみました。

《お話を聞いたひと》
えほんがかり まこ さん

「えほん つながる ことば いのち」をテーマに、絵本の楽しさや奥深さを発信。“えほんがすきなおとな”、「えほんがかり」として活動する。NPO法人「絵本で子育て」センター絵本講師。絵本講座のほか、絵本に出会うきっかけづくりの一環として、さまざまなスポットに絵本を届ける「えほんがかり文庫」を自主企画し、全国47都道府県制覇を目指し活動中。現在は絵本講師の域にとどまらない自由な発想とフットワークで、独自の絵本コミュニケーションを発信している。岐阜県在住。一児の母。

子どもも大人もみんなが楽しめる「絵本」

ー「えほんがかり」として、Instagramで絵本について発信しているまこさんですが、昔から本が好きだったんですか?

私、実はほとんど読書をしてこなかったんです。分厚い本は、途中で飽きちゃったりしますし、今でも読書に対して苦手意識がありますよ(笑)。

 

ーそうなんですか…! なんだか意外です。

でも、私みたいな人にこそ、絵本を楽しんでほしいなって思います。
絵本って、すぐに読めちゃうんですよね。少し時間があれば読み切ることができますし、何より絵も言葉もわかりやすくて美しい。心に響くものがあると思います。
私はそんな絵本を、子どもも大人も関係なく、たくさんの人に広めていきたいと思って、この活動を続けています。

「読んであげる」ではなく「一緒に楽しむ」

ー「毎日絵本を読んであげるのが大変」という忙しい親さんママ・パパの声もありますが、まこさんにとって、絵本の読み聞かせってどんな時間ですか?

私はまず、「読んであげる」という意識自体が、ママやパパの大変さを加速させているような気がしています。
私のなかでは「読んであげる」というより「子どもと一緒に楽しむ」というイメージ。
絵本って、子どものためだけに読んであげているように見えて、実は読み手である大人の心のなかに入ってくるものがたくさんあると思うんです。
でも、読み手が「読んであげてる」と考えて読むと、その思考がバリアになって、すんなり入ってこないんじゃないかな、と。

実際のところ、子どもに求められて、何度も繰り返し読まなきゃいけないこともあるのが現実ですし、私も「また?」って思うこともありますよ(笑)。
でもそこは、お互い楽しめるような工夫もできると思うんです。

 

ー工夫というと、たとえば?

私の場合ですが、いつも絵本を買いにいくときは「子どものために買う本」「子どもが選んだ本」とは別に、私が個人的に好きな絵本、読んでみたい絵本も買っています。
読んでみたい絵本というのは、「読み手である親も読んでいて心地良いと感じられる」絵本。
選ぶ基準が「我が子が好きそう」「喜びそう」だけじゃなくて、読み手である親も好きな絵本、心地良いと感じられる絵本を、ぜひ探してみてください。

絵本は、大人も子どもも関係なく楽しめます。
私は、自宅で読み聞かせをするときには、子どもが選んだ数冊に加えて「ママは今日、これにしようかな!」と、“ママが好きな絵本”も持っていって、全部一緒に楽しんでいます。

 

ーわあ、それは楽しそうですね!

楽しいですよ。
大人だって、楽しんじゃえばいいんです。

読んでる方が「読んであげてる」って思ってると、子どもにも義務感が伝わっちゃうんです。
そのうち「読んで」って言ってこなくなると、きっと寂しいんですよ、これが(笑)。

「絵本は子どものもの」と決めつけず、大人も一緒に楽しむ工夫をすることで、きっとお互いに豊かなコミュニケーションの時間になると思います。
子どもも、ママやパパが好きなものを知れるのは、きっと嬉しいはずです。

本のカバーを利用して作ったバッグがとってもかわいい!これも絵本を楽しむアイデアのひとつですね。

寝る前の絵本は、親子がゆったり向き合える時間

ー読み聞かせは、どんなタイミングでするのがいいんでしょうか?

読みたくなったら、いつでもどこでも読めるのが絵本の良いところですが、私が毎日読み聞かせているのは寝る前、寝室での読み聞かせです。
寝室って、テレビもおもちゃもないし、ママやパパが家事に追われていることもない、とても心穏やかに親子が向き合える場所だと思うんです。
子どもはもしかしたら、大好きな大人が自分のことだけを向いてくれる時間だと思っているかもしれません。
そんな心地良い環境で、一緒に本を楽しめるというのは、とても素敵なひとときだと思います。

 

ー確かに、慌ただしい毎日の中で、一番ゆっくり向き合える時間かもしれませんね。

そうなんです。
1冊だけでも、5分だけでもいいから、絵本をきっかけにしたコミュニケーションの時間を確保できたら、きっと親も子も気持ちよく眠れるんじゃないかな。
バタバタすぎる一日のなかに「絵本を読み聞かせる時間が取れた」ということは、「子どもとゆっくり向き合えた」という親の安心感にもつながると思います。

 

ー目安として、1日に何冊くらい読むのがいいんでしょうか?

その質問もよく受けますが、一番大切なのは「義務にしないこと」だと私は思います。
ちなみに私は、息子に好きな絵本を3冊選んで持ってきてもらって、寝室で読むのがルーティンになっています。
でも、それも「絶対3冊読まなきゃ!」ではないんですよね。

親も子も、気が向かなかったら読まなくていいんです。
「今日は絵本おやすみしよう」という日があってもいい。
もちろん、気が乗らなくても、子どもの要望に応えてあげなきゃいけない日もたくさんあると思いますが、「最低何冊は読まないとだめ」みたいな義務感が出てくると、親も子も絵本を読むのがツラくなってしまいます。

読み終えることにも、こだわらなくて大丈夫。
読んでいる途中なのにどんどんページをめくりはじめたら、「きっとその先に見たいページがあるのかな」とか。
「最後までめくって、絵本をパタンと閉じるのが楽しかったのかな」とか。それでいいんです。

読んでたのに、子どもが途中でどこかへ行っちゃうなら、読むのをやめてもいい。ママが続きを読みたいなら、子どもがいなくても読み続ければいい。「おりこうに座って聞きなさい!」では、お互いがツラくなってしまいます。

 

絵本の読み聞かせは、毎日のタスクでも、必要な作業でもなく、コミュニケーションの時間です。いつも心に正直に、少しでもゆったりとした気持ちで楽しめるのが理想ですね。

 

 

ライター 後藤麻衣子

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えほんがかり

まこ

「えほん つながる ことば いのち」をテーマに、絵本の楽しさや奥深さを発信。“えほんがすきなおとな”、「えほんがかり」として活動する。NPO法人「絵本で子育て」センター絵本講師。絵本講座のほか、絵本に出会うきっかけづくりの一環として、さまざまなスポットに絵本を届ける「えほんがかり文庫」を自主企画し、全国47都道府県制覇を目指し活動中。現在は絵本講師の域にとどまらない自由な発想とフットワークで、独自の絵本コミュニケーションを発信している。岐阜県在住。一児の母。

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